第3章 目の付け所_
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そんな俺の姿を見て、坂木部屋長は俺の方を見た
「らしい形になったじゃねぇか!
今から部屋長のオレ様自ら答えてやる!
その前に…沖田!」
「はいっ!」
突然名前を呼ばれ、一瞬ビクッとした沖田だったが足をプルプルしながら返事をした
「テメェはこれまでの指導には、どんな意味があると思う?
お前なりの答えを言ってみろ!」
「じ…自衛隊のリーダーを育てる学校だから、指揮を執るために部下の…辛い気持ち、苦しい気持ちを分かる為かな…って…」
そこまで言うと部屋長は、興味がなさそうに返事をした
「次!原田!テメェはどう思ってる?」
「じ…自分は…基礎作りっていうか…っ…トレーニングを兼ねた注意でそれで厳しくs…」
まだ、原田が話してる最中に、坂木部屋長は大きなため息をついた
「次、武井」
「学生舎の生活は、防衛大学校において修得されるべき重要な教科の、一つだと言われています」
武井、偉そう事いいやがって…
「上級生の方々の厳しくも温かな指導は、我々が規律と服従の真髄を体得する為
そして、真の武人にして真の紳士、淑女たる学生になる為にあるのだと思います」
「……」
「規律なくして真の自由はありません。」
こいつ〜!悔しいがカッコイイ…
そう思ったが、坂木部屋長の応えは違った
「聞きかじった事、並べてんじゃねぇ!
腹ん中でどう思ってるのか答えろっつったんだ!」
正解だと思っていた武井は怒鳴られ、驚いた顔をしている
「近藤!」
「はいっ!」
「テメェ自身はどう思ってる?
何でこんなことやらされてんだ?」
何でこんな事をやらされてる…?
存在しないドレッシングを探させたり、同じ言葉ばかりを綴っている反省文を何十枚も書かせたり…
しまいにはベッドを飛ばしたり。
「っ…理由なんてない…のではないかと思います!」
俺がそう言った瞬間辺りの空気が変わった
横の2人はそれ以上言うな!という顔でこちらを見ている
「この空気イスだって…理由も分からない。
なんで、こんな事しないと…っ…くっ…」
そこまで言った時、ついに限界が達し俺は後ろに転んでしまった
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