第3章 目の付け所_
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そう言いながら2人は、必死で俺を止めてくるが俺は聞かずにはいられなかった
何故、こんな事をやらせるのか
こんな事をして何の意味があるのか
一歩ずつ、坂木部屋長に歩み寄り部屋長の横に立つ
「坂木部屋長!質問があります!」
「……」
「ここは将来の幹部自衛官を育成する学校だと思うのですが、存在しないドレッシングを探させたり、ベッドが飛ばされていたり、反省文を何十枚も書かされたり__」
「……」
「自分には理由が分からないのですが、一体何の為にやらされているんでしょうか?」
チラッと原田の方を見ると、“殺されるぞ”という顔でこちらを見ている
何も言わずただ、俺を見ている坂木部屋長
言い過ぎたか?
そう思った時、坂木部屋長が読んでた本を閉じ静かに前を向いた。
「自分で考えろ……と言いたいところだがいいだろう
教えてやるよ」
「ッ!」
やっぱり沖田の言う通り、理由や根拠を指摘してくれるんだ!
椅子から立った坂木部屋長は、こちらを向いて叫んだ
「一学年共、全員立て!
他の奴らにも教えてやる。
気合い入れる為、上着脱いでイスに座れ」
気合いを入れる為、何故脱ぐ?
そう疑問に思ったが、教えてくれるなら何でもいいや
そう思い、上着を脱いでいつも座ってるイスに座ろうとすると坂木部屋長の目が光った
「おい、そこじゃねぇよ
何勝手にそれに座ろうとしてんだよ
別のイスだよ」
「別のイス…?」
別のイスなんてあったか?
この部屋にあるイスはこれしか__
「そこにあるだろ、空気のイスがよ!」
「ぇ…?」
空気の椅子だと…?
坂木部屋長、何言って…
「さっさと座りやがれ!」
半ば強引に空気イスの姿勢にされる
「話が聞きたいんだったら、それなりの姿勢を見せろ!」
これまでの指導の理由を聞いただけなのに
なんで空気イスで聞かないといけないんだ!?
「近藤が言い出しっぺだからな。
これ持て」
西脇サブ長はそう言って、2Lのペットボトルを俺に渡してきた
お、重たぃぃぃぃ!!
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