第3章 目の付け所_
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パパラ パパラ パパラ
あぁ、朝がきてしまった
疲れがとれてない。眠い…
「起きろー!早く準備しろ!」
また、ゴリラの声を聞きながら、シーツを畳み5分以内に乾布摩擦へ向かい舎内の清掃を行う
ここまでは一連の流れだ
多分、これからもブレることはないだろう
「やっと、朝食だぜ…」
そんな声を聞きながら俺はパンを齧る
ご飯を食べたいが先輩たちに取られてしまうのだ
「ほら、沖田、走れよ」
食べるのが遅い、沖田を待ち部屋へ戻ろうとすると原田が玄関前で立ち止まってた
「あれ?原田、先戻ったんじゃ…」
「そんな事より大変なんだ!」
焦った顔でこちらを見てくる原田
「え?」
「部屋に戻ったら、近藤のベッドがなくなってて…それで…」
原田が指さしてる方を見ると、木の上にベッドが乗っていた
「…ベッドが…飛んでる…?」
「近藤のベッド…どうしてあんな所に…」
いや、本当だよ
どういう事だよ、ベッドが飛ぶって
「いいから早く降ろそうぜ
手伝うからよ」
そう言って、その場にいた全員でベッドを部屋に持ち帰ると、坂木部屋長と西脇サブ長が、部屋の家具をひっくり返してた
「何…してるんですか…?」
「毛布の畳み方が甘ぇだよ!
もう一度、一から畳み直せ!」
そう言って、机の上にあった参考書、ロッカーの中にある制服、作業服、揃えてある靴までもぐちゃぐちゃにされた
ロッカーまでぐちゃぐちゃにしなくてもいいじゃん…
「朝礼に間に合うように片付けろ!」
朝礼って…
後、15分しかないじゃねぇか…
5分前に集合しないと、反省文書かされるっていうのに
「ほら、さっさとやれ!」
怒号が起こりすぐ様片付けに取り掛かる
「ハァハァ…」
何とか5分前に終わり、坂木部屋長のチェックを受ける
「息、上がってんじゃねぇーよ」
そう言って腕時計を見て舌打ちをする坂木部屋長
「さぁ、楽しい一日の始まりだ!
走れぇ!」
そう言われ、俺たちは朝礼に向かうのであった。
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