第3章 目の付け所_
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ラーラーラー
やっと、一日の終わりを示す国旗貢納が行われる
長かった…
「おい!早く風呂に行かねぇと!
先輩たちもう行ったぞ!」
原田と武井がバタバタと走り回りながら俺と沖田に向けて言う
「おい!沖田、何してんだよ!
早く行くぞ!」
俺がそう言っても、動く気配がなくただ、ひたすらペンを動かしてた
「他の中隊の先輩に呼び出されて…
僕の挨拶が悪いって…」
反省文か…
聞けば100枚もあると言う
「……」
少し考えた後、風呂で使う一式を机の上に置く。
原田たちは、ぇ…という声をあげ沖田に関しては動きが止まった。
そして、沖田の隣にあった紙を一枚取り横にあったペンを手に取る
「おい、何してんだよ!
筆跡でバレるぞ!」
「合わせる」
原田たちが、焦った様子でそう言ってくるがほっとく訳にはいかない。
「っ…俺たちは自分の事で手一杯だからな!」
そう言って、風呂へ向かう武井と原田
「近藤くん、ありがとう…」
後ろで沖田が涙目でこちらを見ている
「いいからお前は、早く自分のプレスや洗濯終わらせてこいよ
ここはやっておくから」
どうせ、プレスもピカールも終わってたんだ。
手伝ったところで何も言われないし、気付かれないだろう
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