第2章 乗り越えた先に_
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ようやく、長かった日夕点呼が終わり“各小隊、別れ”の合図が出される
その間も、急げ!!や黙って走れ!等の罵声がそこら中で飛んでる
「近藤くん、大丈夫?」
隣にいる沖田が小声で話しかけてくる
先程の肩の件を言ってるのだろう
確かに、少し痛むが我慢できない程度じゃない。
それよりも、腕立て伏せを何度もやったせいか腕の方が痛い
「お前こそ大丈夫か?」
「僕は大丈b…」
会話をしながら部屋に入ろうとすると、バシッ!と音がし反射的に目を瞑る
「ッ!」
目を開けると目の前に竹刀があった
驚きのあまり、前を向くと鬼の顔をした坂木部屋長が竹刀片手にこっちを見てた。
「入室要領演練!
対番に習ったろ?
部屋に入る時のアイサツだよ。
やってみせろ」
俺の前にいた沖田にそう言う坂木部屋長
「他の野郎もチンタラ歩いて戻ってんじゃないっ!
走って戻ってこい!
廊下は走るもんだ!」
そう言われ、俺たちもやり直しをされる
いや、いつ戻ってきたんだよ
さっきまで俺の隣にいたよな?
戻りながら他の部屋を見ても、既に先輩方は中で待機をしていた。
先輩方の行動が早すぎる
そんな事を思いながら再び、部屋に戻ってくる
丁度、沖田は入室要領練習が終わったばかりらしく、お辞儀をして部屋から退出する所だった
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