第2章 乗り越えた先に_
・
そんなことを思いつつ、30回の腕立て伏せが終わる
汗にまみれた俺たちの息は、既に上がっていた
「…ッ!」
上級生の息が…まるで上がってない?
姉ちゃんを見ても坂木部屋長、西脇サブ長、みんな平然とした顔で前を向いてる
はぁはぁと言ってるのは俺たち一学年だけだ。
「点呼!」
再び、坂木部屋長の号令がかかる
「二ッ! 三ッ! 四ッ! …五…!」
息がまだ整ってなかったからか。
沖田がまた詰まった
その瞬間、再び上級生たちが腕立ての姿勢をとった
堪らず、ひぃっ!と声が出る
そして、沖田と原田が丁度、目の前にいた姉ちゃんに尋ねた
「俺らの失敗なら俺らだけじゃないんすか?」
と。
原田がそう言った瞬間、姉ちゃんはチラッと横にいた四学年と目を合わせ再び俺たちの方を向いた
『…連帯責任よ。
沖田学生の失敗は私を含め全員で責任をとるの』
なんだよ…それ…。
姉ちゃん、本気で言ってんのか?
『見なさい。
先輩方は全員、連帯責任を取る構えでしょ?』
その言葉を聞いて原田が絶望したかのように呟いた。
・