第2章 乗り越えた先に_
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坂木の声を聞いてと肩を揺らす学生もいれば半泣きの学生もでてきた
そして、戸惑いながらも一学年は腕立ての姿勢をとった
それを見て、坂木は腕立ての号令を始める
「腕立て、30回!かかれ!」
「一ッ! 二ッ! 三ッ!」
腕立ての合図がかかり号令が始まる
だが、そのほとんどが上級生の声しか聞こえない
「声が小せぇーんだよ!
しっかり腹から声出せ!
顎が床につくくらい下げろ!」
「はいッ!」
そう言われ、腕立ての姿勢のまま返事をする沖田学生
30回の腕立て伏せが終わりハァハァ…と言う声が一学年の方から聞こえる。
額に脂汗をかき顔は歪んでおり、たった30回で既に辛そうだ
「点呼!」
再び、坂木が叫び点呼が始まる
「二ッ! 三ッ! 四ッ!…五…!」
明らかに遅れて言った沖田学生
それを聞いて、坂木の目が光る
「全員、腕立て20回!用意!!」
坂木にそう言われ一学年以外の学生は、また腕立ての姿勢をとった
それを見た、沖田学生と原田学生が情けない声を上げ私のもとへやってきた
「ちょ…ちょっと待って下さい!
俺らの失敗なら俺らだけじゃないんですか?」
女の私なら坂木や大久保より話しかけやすいなどと思ったのだろうか
チラッと大久保の方を見ると、教えてやりなさいという顔をしていたので一度、深呼吸をし原田学生の方を見る
『…連帯責任よ
沖田学生の失敗は私を含め全員で責任をとるの』
勇美の方を見ても、何言ってんだ?という顔をしている
『…見なさい
先輩方は全員、連帯責任を取る構えでしょ?』
そう言うと絶望した声を漏らす原田学生
それを見た、坂木が指示棒をだし原田学生と沖田学生に向けた
「沖田学生!原田学生!
お客様扱いは終わりだ!
人様の税金を使う国家公務員としての自覚をもて!」
沖田学生や原田学生だけじゃない
他の学生にもこれは同じ事を言える
未だに、ふわふわとしている学生がいる
自分たちは国家公務員という自覚というものをもってもらわないといかないのだ
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