第2章 乗り越えた先に_
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“部屋長会議”
それは、新入生を一学年として迎える当日に行われるもので目をつけるべき学生の確認、改善点等を話し合う場だ
「部屋っ子はどんな感じですか?」
これからの予定を配られた紙を見ながら確認していると、横から大久保が話しかけてきた
「普通だな
私語に余裕があるのがムカつくが…」
「まぁまぁ、それも今日で終わりですから」
「……」
部屋っ子の様子等を共有しつつ、一時間ぐらいで会議は終了した
ゾロゾロと皆が出ていく中、俺はあいつを探していた
奥の方を見ると山下がホワイトボードに文字を書いてる
聞くなら今だな
そう思い山下を呼び出す
既に、ミーティング室には俺と山下だけだ
岡上学生の事を聞くと変わりはないとの事
そうか。とだけ返事をすると、いつもならそれで終わるはずの山下の報告が止まらない
何だ?様子がおかしいぞ…
そして、ついには__
『可愛いし性格もいいから坂木にはお似合いだと思うっ!』
そんな事を言い出したのだ。
は?お前…今なんて言った?
俺が…岡上学生とお似合いだと?
いや、ちょっと待て。
岡上学生はただの妹だ
そう言いたいのだが、俺の口は閉じる事を知らない様に動けなかった。
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