第1章 これはきっと何かの間違い_
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隣にいた西脇はお詫びに飲みかけのコーラを渡そうとしていたが、有無を言わさず山下は要らないと答えるので俺は笑いを堪えるのに必死だった
すると今度は西脇は窓際にあった俺のレモンティーに手を出し始めた
おい、辞めろ、それは俺のだ
そんな事を心の中で思っていると、案の定山下は瞳を大きく開けてレモンティーを見ている
あの顔は飲みたいんだな…
だが、それも一瞬の出来事で、直ぐにいつものポーカーフェイスに戻った
とりあえず、山下に自己紹介をさせると新入生が一気に山下の方へ寄って行った
ワイワイと囲まれている山下
まぁ、確かに山下は可愛い
背が低いというのもあるかもしれないが何より、クリッとした瞳に日焼けをしない体質なのか透き通るような肌
そして、ポニーテールにくくってある黒色の髪
可愛いって言葉が似合いすぎる程だ
そんな事を考えつつも山下に用件を尋ねると近藤学生に用があるとの事
俺が答えようとすると、山下の前にいた沖田学生が先に答えた。
居場所が分かると回れ右をし部屋を出ていった
「山下先輩、可愛かったね!」
そんな声が俺の後ろで聞こえる
本来ならばどつくところだが、ここはグッと堪え先程、山下が来た意味を考えた
急ぎの用事でもあったのか?
少し気になるな…
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