第1章 これはきっと何かの間違い_
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舎内の説明が終わり部屋に戻る
後ろを見ると新入生がワイワイと話している
それを嬉しそうに見ている西脇
「……」
少し気になっている近藤学生に目を向けると、対番の学生に買って貰ったであろう参考書と睨めっこをしていた
なんか、こいつ
あいつに似てないか?
テスト前のあいつもこんな顔してるよな
そう思い、読み掛けの本を手に取った時だった
コンコンコンと扉がノックされ近藤の対番が入ってきた
「あ!対番の松平さん!」
聞くと、プレスの練習をさせたいらしい
そして近藤が部屋を出てから30秒も経たないうちに、また扉がノックされた
小窓を見ると、チラッと黒髪が見える
「あいつか…」
そう呟いた声が西脇にも聞こえてたらしく飲んでいたコーラから口を離した
俺の予想通り、返事をした数秒後に大きな声で挨拶をした山下が入ってきた
だが、それも西脇の声でかき消され、死んだような顔をしている
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