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銀色の【銀魂長編夢】

第13章 囮捜査って禁止されてるよね


「何だ、他の奴は来てねぇのか?」
「来てるに決まってるじゃねーですか。ほら、あそこ」
「あ?
 何やってんだ、アレ」
「囮捜査ですぜ」

沖田が指差した先には、いつもの三割増しに不機嫌な土方と、今にも死にそうな顔をした山崎。
ただし、山崎は女装姿だ。

「笑えねーよ」
「旦那、アレでもマジでさァ」
「尚更笑えねぇよ。ジミーのあの顔見てみろ。あんなの悪徳人買いに売られそうになってるようにしか見えねぇよ」
「仕方ねぇじゃないですか。遼と捜査する筈が、あんたらに取られちまったんですぜ。後は誰かが割を食うしかねぇ」

どんな割の食い方だ。
銀時が呆然とそちらを見ていると、神楽が興奮した様子で銀時の袖を引っ張る。

「銀ちゃん、遼来たアル!
 見て見て銀ちゃん、ミニスカ絶対領域アルよ!」
「はあっ!?」

慌てて草叢から顔を出して見ると、お通ちゃんスタイルの遼が新八と手を繫いでいた。

「総一郎くん、やっちゃってくれ」
「総悟です。ラジャー」
「このダメンズどもめ」

神楽は、新八に狙いを定める二人の頭を叩いて止め、「ガキクサいことするんじゃねーヨ」と吐き捨てる。

「つーかオメーら目立ち過ぎだ」
「土方コノヤロー、何仕事サボってやがんでェ」
「お前らが煩くて、あんな事やってらんねーんだよ」

苛立たしげに煙草をふかす土方の隣には、可哀想な山崎。

「お、インカム繋がりやした……ウンコしろ」
「バカ総悟!
 テメェ何やってんだ!」
「だって見て下せぇ土方さん。奴のあのだらしない顔。いいからさっさとウンコしろ」
「今何やってるのかわかってんのかオメーは!」

怒鳴り上げた土方が、巫山戯ているのか本気なのかわからない沖田からインカムを奪い取る。

「もしかして、今日一日コイツらと一緒かよ」

万事屋と真選組の、長く騒がしい一日が始まった。
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