第13章 囮捜査って禁止されてるよね
<監視side>
新八と遼が合流する少し前。
銀時と神楽は家康像がよく見える場所に陣取り、様子をうかがっていた。
「ったくよぉ、無差別殺傷みてーな物騒な事件に俺たち市民を巻き込むなっつーの」
「文句があるなら銀ちゃんは帰ったらいいアル」
「ウチの従業員が関わってんだから、帰るわけにいかねーだろーが」
「男の嫉妬は醜いネ」
「ばっかお前、男の嫉妬は女の五万倍だぞ。嫉妬の炎で江戸も燃やせるからな」
「ギャーギャーギャーギャーそんなに騒いでたら気付かれますぜ旦那」
「うおっ!
何で総一郎くんがここに居んだよ」
「総悟です。そりゃあ俺らも監視に決まってるじゃないですか。因みに今日の俺は総悟13と呼んで下せぇ」
サングラスを掛けてライフルを構えた沖田を、「こんな往来で物騒なもん構えんな!」と慌てて草叢につれこむ。
「監視がそんな目立ってどうすんだ!」
「そうアル。このチンピラ警察24時」
「だから今日は総悟13だって言ってんだろ、クソチャイナ」
「なんだとテメー!
サングラス似合ってねーんだよ!」
「バカ!こんな所で揉めるな!」
例のごとく言い争いを始めた二人を押さえ付ける。
ただでさえ目立つ集団なのに、これ以上目立っては監視出来なくなってしまう。というか、犯人に警戒されてしまう可能性が高い。
「オメーらは邪魔しに来たのか?!」
「旦那、俺が何も考えてないとでも?」
「考えてたら、そんな目立った格好しねーだろ」
ライフルを構える沖田の頭を叩いて、銀時は周囲を見渡した。