第7章 何でカタカナの名前?
かぶき町に到着した一行は、パトカーを降りて通りを歩いていた。
制服効果で町往く人達が避けていく。
何故かこちらを指さし、ヒソヒソと囁きあっている人達もいて、非常に居心地が悪い。
「あの……私たち、何か悪いことしました?」
「一昨日総悟が無茶な捕り物して、建物丸ごとダメにしたんだよ」
「土方さんが避けるから、バズーカがあの店に直撃したんですぜ」
「何で俺のせいみたいに言ってんだ!お前が100%悪いだろ!!」
子細がわかった遼は、諦めて肩を落とした。
これでは、正義の味方は誰なのかわかったものではない。
言い争う土方と沖田から視線を外したその時、白くて大きな塊が路地裏に入って行くのがみえた。
(シーツを被った人?それとも、天人?)
チラリと見えた足首は人間のそれだったが、最近は地球人とあまり見た目の変わらない天人も多いので、判別が難しい。
「神武さん、どうしたの?」
「あ、今白くて大きなのが……いなくなっちゃった」
首を傾げる遼に、山崎は「見てくるよ」と路地裏に走り、辺りを見回して戻って来た。
「誰も居なかったよ」
「すみません、私の見間違いかも……っ!」
先程白い塊が消えた方向に見知った姿を見つけ、遼は息を飲む。
しかもその人物は、吞気にこちらに向かってピースをしている。
(一体何してるの!?)
慌てる遼をよそに、その人物は近くの団子屋に入っていった。
「どうしよう……」
土方と沖田の様子を窺うと、二人は未だに揉めていて、山崎がそれを止めようと仲裁に入っている。
「ちょっとだけなら」
団子屋に飛び込むと、その人物は吞気に団子を食べていた。
隣には、白い──
「?」
「久しいな、遼」
「え、あ、うん。ところで、その……」
「ああ、こいつは我が同胞のエリザベスだ」
というやり取りが有って、冒頭の今に至る。
白い生き物ことエリザベスを前に、遼はどうしたものかと思い悩んだ。
「ところで遼、何故真選組のコスプレなどしているのだ?」
「え?」
「マズい!」
遼が答えに窮していると、突然桂に抱き寄せられる。
直後、背後から何かが飛来する音が聞こえ、先ほど桂が立っていた場所が爆発した。
「かァァァァつらァァァァ!!」