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銀色の【銀魂長編夢】

第3章 万事屋銀ちゃん


「銀さん…何ふて腐れてるんですか?」
「別にぃぃっ」

ソファに寝転がり、つまらなそうにジャンプをめくる銀時に、新八は短い溜息を吐いた。

「それにしても…遼さんは何でこんな時間に外出してたんですかね?」

遼と神楽が風呂に行ってから、銀時から事の顛末を聞いていた新八は疑問を口にした。
銀時の知り合いらしいからと、新八も神楽も特に不審を抱いていなかったが、考えてみると遼は謎だらけである。
わかっているのは名前と簡単な職歴だけ。

「そう言えば、遼さんって幾つなんですか?」
「んあ?
っと、確か……十八だな」
「え?てっきり姉上より年上かと……」
「そりゃあ、オメェんとこの姉ちゃんとは色気が違うだろーが。間違いなくEはある…」

言いかけて、銀時は突然ぶるりと震え上がった。
すなっくすまいるの方角から、なにやらどす黒い念波を感じる。

「きっ、聞こえたのか?!」
「姉上のコンプレックスですからね…じゃなくて、銀さんが遼さんと会うのはいつ以来なんですか?」
「……十年振りだな」

指折り数えた銀時は、少しだけ眉間にシワを寄せた。
思ったよりも、時間が過ぎるのは早かったらしい。

「色々分からない事はありますけど、僕は彼女が悪い人には見えないので、協力しますよ」
「何だ、遼に惚れたのか?」
「ぎっ、銀さんには関係ないですよ!」

真っ赤になって声を上げる新八に、銀時はにやりと人の悪い笑みを浮かべる。

「新八く~ん。青春だねぇ。お通ちゃん親衛隊はどうするのかなぁ?」
「うっ…」
「冗談だよ。そーゆーのとは、違うだろ?」
「…本当、性格悪いですよね」

下衆っぽい笑みを浮かべる銀時に、新八は何とも言えぬ顔で肩をすくめた。

「それにしても、二人とも長湯ですね」

ちらりと時計を見ると、二人が風呂に行ってから一時間ばかり経っている。

「女なんざそんなもんだよ。特にヤる前なんか…」
「うわっ、変態」
「本当、どうしようもないアル」
「ぎえっ、神楽!?」

気配もなく現れた神楽に、銀時は飛び上がらんばかりに驚く。

「もうすぐ遼も来るアル。聞かれてたら最後ネ」
「聞かれてたら良かったのに」

二人に軽蔑の眼差しを向けられ、銀時は視線をさ迷わせた。
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