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銀色の【銀魂長編夢】

第3章 万事屋銀ちゃん


神楽に急かされた遼は返事をすると、体にタオルを巻きつけて風呂場の扉を開けた。

「お待たせ」
「あーっ!女同士で隠すのは無粋ネ!今すぐ取るアル!」
「え、でも…」

躊躇する遼に、神楽は表情を曇らせて「やっぱり私と裸の付き合いがしたくないアルね…」と、露骨に落ち込む。

「違っ…!そうじゃないの…そうじゃなくて…」

遼はぎゅっとタオルを握り締めると、少し困ったような顔で「銀ちゃん達には内緒ね」と神楽に頼んで巻きつけていたタオルを取って素肌を晒した。

「───っ!」

言葉を失った神楽に、遼はただ悲しそうに「心配掛けたくないから、ね」と言って微笑む。

「わかったアル。でも、それ大丈夫アルか?」
「うん。もう五年以上前だからね。見た目は悪いけど、痛みも無いし」
「でもこんな……」
「ありがとう、心配してくれて」

落ち込む神楽の頭を撫で、かけ湯をして湯船につかる。

「結構熱めだね~」
「……聞いてもいいアルか?」
「だめ。教えちゃうと、巻き込んじゃうから」
「そんなの……」

今さらだという神楽に、少し困ったように笑い「銀ちゃんにバレたら怒られちゃうから」と戯けてみせた。

「大丈夫だよ、神楽ちゃん。本当に全部、もう治ってるから。ね」

神楽が知りたいのはそんなことでは無いとわかっていたが、「この話はこれでお終い」と言って神楽の頭を撫でる。
これ以上は無駄と悟った神楽も「わかったアル」と湯船に頭まで沈み込んだ。

「ごめんね。ありがとう……」
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