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銀色の【銀魂長編夢】

第13章 囮捜査って禁止されてるよね


「ごっ、ごめん!ビックリしちゃって……」
「あ、いや、」
「銀ちゃん、許可無くレディーに触るなんてセクハラアルよ。遼、今すぐ消毒するネ!」
「人をバイ菌扱いするんじゃねぇよ!」

神楽の助け船に安堵しつつ、遼は銀時の手が触れた辺りをそっと撫でた。

「ごめんね銀ちゃん。知らない間にたん瘤出来てたみたい。痛くは無かったから」
「……たん瘤、か。悪かったな」
「ううん。ごめんね」
「遼、セクハラなんて許しちゃダメアル!徹底的に謝罪させて、賠償金ふんだくるだけふんだくるネ!」
「神楽ちゃん、そんな悪徳な手口どこで覚えてくるんだよ……」

鼻息荒くふんぞり返る神楽の隣で、新八はやれやれと肩を竦める。

「というワケで、今日は銀ちゃんの奢りでゴハン食べに行くアルよ」
「はあっ?!」
「それが良い。銀さんが今日の報酬をパチンコに遣い込んじゃう前に、回収出来る所は回収しておかないと」
「新八、オマエまで……ったく、食べ放題の焼肉しか行かねぇからな」
「きゃっほーい!遼と一緒に焼肉アルー!!」

はしゃぐ神楽に、不機嫌全開な沖田がすかさず横やりを入れた。

「クソチャイナ、遼を勝手に連れて行くんじゃねぇよ。囮捜査は終わったんだから、屯所に帰るに決まってんだろうが」
「幼気な少女にまだ仕事させるなんてパワハラアル!」
「ふざけんな。始末書出すまでが仕事なんだよ」
「始末書出すのはテメェだけだろ。オイ神武、後始末はコッチで終わらすからもういいぞ」
「えっ?!」

思い掛けない土方の一言に、遼は勿論沖田や山崎も声を上げる。

「い、いいんですか?」
「後はコイツを取り調べるくれぇだからな。何かありゃあ連絡するから取れるようにしておけ」
「ありがとうございます」

満面の笑みで感謝する遼に、土方はややぶっきらぼうに「ああ」と答えると、煙草を咥えて火を点けた。
その隣にやって来た沖田は「どういう風の吹き回しですかい?」と、土方を一瞥する。

「何がだよ」
「随分遼に甘ぇじゃねぇですかい。アンタまさか、今更好かれようなんて考えてるんじゃねぇだろうな?」
「んなわけあるか」
「どうだか」

紫煙を燻らす土方を睨みつけながら、沖田はざわつく感情を押さえ付けて無理矢理蓋をした。
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