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銀色の【銀魂長編夢】

第13章 囮捜査って禁止されてるよね


驚く遼の隣に立った銀時は、溜息をつきながら転がっている天人を足蹴にする。
その様子を、遼は何とも言えない気持ちで眺めていた。

(天人の犯罪者か……またこれで、風当たりが強くなるな)

真選組としては、天人の捕縛は非常にデリケートな問題だ。今回は天導衆に関わりがあるとは思えないが、どこで繋がっているかわからない。

「総悟、テメェまたやり過ぎで始末書だな」
「始末書は、土方さんにお任せしやすぜ。俺ァ切り込み隊長の役目を果たしただけなんで」
「ふざけんな!どう考えてもやり過ぎだろうが!!」

沖田に押し潰されている天人は、ボコボコにされたせいか完全にノビていた。これをやり過ぎと言わず、何と言うのだろうか。遼は溜息をつきつつその天人の顔を確認して驚いた。

「うわっ、スゴいイケメン」
「イケメン、かぁ?」
「地球人から見たら、美形の部類だと思うよ。目を閉じてるからわかりにくいけど、目鼻立ちも整ってるし、パッと見は目を惹かれちゃうんじゃない?」

訝しがる銀時に、遼は「好みは人それぞれだけどね」と返しながら、沖田から受け取った手錠を男にかける。

「沖田隊長、もう退けて大丈夫ですよ」
「……何か癪だからもう一発入れとくか」

割と強めに踏みつけた沖田に呆れつつ、遼は天人の背中に残った足形を軽くはたいてやった。
それを見てますます不機嫌になった沖田に気付いた銀時は、やれやれと頭を掻く。

(仲良くなったとは聞いてたけど、まさかコイツがねぇ……まぁ、アイツじゃねぇだけマシか)

銀時の視線の先には、沖田よりも気に入らない人物が。

(嫌な予感ってのは、往々にして当たるもんだ)
「銀ちゃん、大丈夫?」

袂を引かれて振り返ると、不思議そうに見上げてくる遼と目が合って、銀時は肩を竦めて「何でもねぇよ」と笑った。

「……銀ちゃんがそういう反応する時って、怒ってるのを隠す時なんだよ」
「怒っちゃいねぇけど──ま、大した事じゃねぇから気にすんな」

些か乱暴に遼の頭を撫でた銀時は、その違和感に手を止める。

「何だコレ……瘤?」
「っ!」

咄嗟に銀時の手を払い飛び退いた遼に、銀時だけでなくその場に居る者が思わず遼を凝視した。
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