第1章 戦いの後
初めて彼らを見た時、何てうるさくて、我儘で、頼りないのだろうと思った。
鍛錬はサボる、そのくせ飯は誰よりも食べ、治療には文句を言う。
初めは私から湯飲みを奪うこともできなかったのに。
いつの間にか、彼らは強く、逞しく。
落ちこぼれの私には行くことのできない遠くへと行ってしまった。
派手で乱暴な柱の人に無理矢理連れて行かれそうになった時、庇ってくれたことが情けないけれど、涙が出そうなくらい嬉しかった。
その任務からちゃんと無事で帰ってくるのかを思うと不安で夜も眠れなかった。
その後も何度も、、、、
いつの間にか私は彼らの帰りを待ちわびて。
彼らの騒ぐ声が聞こえるたびにホッとした。
そんな彼らが最後の戦いから帰ってくる。
「無惨!死亡ー!!鬼滅隊、無惨の討伐に成功!!カァァー!!」
「うるさいですよ!そんなことよりも怪我人の様子は!?皆さんの状態を知らせなさいよ!!無事、なんでしょうね、、、!?皆ちゃんと帰って、、、」
「カァァ、、、」
「帰ってこなかったら許さないんですから、、、!」
無惨を倒した。
そんな夢のような知らせよりも、彼らの無事を願った。
しのぶ様が亡くなってしまうような、これだけ多くの人の命を奪うような戦いから。
一刻も早く彼らがこの場所に帰ってきますように。