第2章 帰郷
カナエ様は笑い、しのぶ様が怒る。
カナエ様が言うように確かにこのお屋敷は掃除が行き届いているとは言えないようだけれど、明るく心地良い空気が流れていた。
この空気はお父さんとお母さんと暮らしたあの家にも流れていた。
「、、、一応、お掃除とお料理は少しだけならお手伝いできると思いますけど」
2人が固まる。
私はその顔を見るのが怖かった。
心臓から変な音が聞こえた。
そんな私に
「まぁー!!良かったわ!そうよね!人間助け合いよね!!お掃除もお料理もできるって!良かったね、しのぶ!」
「で、できる、とは言ってないですけど!」
カナエ様はマイペースだ。
「、、、まぁ、2人でやるより3人で回した方が料理の係が回ってこないかもね」
しのぶ様はちょっと怖い。
「決まりね!今日からここで一緒に暮らしましょう、ね!アオイ?」
「アオイは何が作れるの?」
けれど2人ともとても強く優しい人だった。
私はそんな2人のようになりたいと強く思った。