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【鬼滅の刃】夢の中で

第1章 戦いの後


「な、何よそれ!」

「そんなの、猪のあんたに言われたからって全然嬉しくないんだから」

そう言って彼女達は伊之助さんの剣幕に怖くなったのか、足早に去って行った。


「フン!っつーかアオイ!テメェも何で言い返さねんだよ、馬鹿!!」

「、、、っ」

「って、アァン!?何で泣いてんだよ!ハァ!!?」

「、、、うるさいですよ、馬鹿」

「馬鹿とは何だ馬鹿とは!テメェの為にアイツら追っ払ってやったんだろが!!」

「、、、っ、もう黙っててくださいよ」

「、、、そんなに嫌だったのか?」

猪の被り物のせいで、彼の表情は見えない。
けれど多分、彼は本気で私の為に怒ってくれたんだろう。
本気で心配してくれているんだろう。
嘘なんて付けるような器用な人じゃない。

「、、、ホントに馬鹿ですね」

「アァ!?もういっぺん言ってみろ!」

「、、、馬鹿」


伊之助さん、知ってますか?
私はあんな悪口、痛くも痒くもないんですよ。
あなたの言葉の方がずっとずっと心に響いて。
涙が出るほど嬉しかった。ただそれだけ。
だから…

「…ありがとうございます」

「あ?何が?」

「荷物、持ちましょうか?」

「要らん!っつーか、何で今度は笑ってんだよ、キモっ!」

「うるさいですよ。ふふ」

「やっぱりキモっ!」

「晩御飯、食べたくないんですね」

「…ゴメンナサイ」


今度は私から、市場へ行きましょうと誘ってみようと思ったのだった。

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