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【鬼滅の刃】夢の中で

第1章 戦いの後


翌日。
伊之助さんは私の出入りを監視するかのように門の前で仁王立ちをし続けた。


「、、、そろそろ戻らないと体に障りますよ」

「うるせぇ。お前はまだ買いもんには行かねぇのか?」

「行きたい気持ちいっぱいですが、あなたのせいで行きづらいんです!」

「は?何で?」

「、、、もういいです」

こんなやり取りを何度しただろう。
もうすぐ日が暮れてしまう。このままでは今夜の食事の用意ができない。


「、、、わかりましたから」


私は諦めて、せっかく着ていた着物を隊服に着替え直すことにした。


「これで文句ないでしょう?」

これ見よがしに鼻からフンと息を吐く。
どうだ、これで堂々と出て行っても大丈夫なはずだ。
けれど伊之助さんは一瞬考えたと思ったら、急に怒りだした。

「何で着替えてんだ、コラ!!」

「えぇ!?だってあなたがこれで行けって、、、」

「言ってねェよ!俺も付いてくって言ったんだ!」

「はぁ!?昨日たしかに、隊服ならついて来ないって言ってましたが!」

「何だそれ、知らねーぞ!とにかく俺は付いていくからな!」

猪頭から私よりも沢山の息を吐き出して、伊之助さんはふんぞり返った。

「えー、、、」

わけがわからない。
どっちにしろ付いてくるなら、私こんなに粘った意味ないじゃない。

「ボケてる、、、」

「何だ?何か言ったか、コラ」

「何でもないですー!!」


きっと戦いでの打ちどころが悪かったのだ。そうでも思わなければどうにかなりそうだった。


「はぁ、、、分かりました。一緒に行きましょう」

「そうかっ!」


何でちょっと嬉しそうなんだろう?


「その代わり、荷物は全てあなたが持ってくださいね!」

どこかホワホワとした空気を纏う伊之助さんに釘を刺すように語気を強めて睨みつける。

「おう!任せろ!」

だからどうして嬉しそうに返事をするのか。
私はあなたの気を少しでも後ろ向きにしようとして言っているのに。


「はーー、、、」


私は大きくため息をついて門を出た。
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