第1章 戦いの後
「って!また、そうじゃねぇ!俺はその着物のこと話してんだよ!」
「なっ、あなたはまだそんなことを!」
「とにかく明日もその格好で市場に行くんなら、俺も連れてけ!」
「何でですか!というかあなたそんな身体でどうやって外に出るっていうんです!?」
「うっせー!なんか分かんねぇけど気になんだよ!それがダメだってんなら裸で行け!その方がスッキリする!」
「はぁ!?あなた馬鹿なんですか?そんな、裸でなんて行けるわけがないでしょう!」
「アァン!?馬鹿とは何だ!お前が分からず屋なんだよ!」
「分からず屋はどっちですか!?」
「あ、、、あのう、、、」
「何だよ!」
「何ですか!?」
突然聞こえた声に2人して振り向くと、そこにはあの3人組が怯えた表情で立っていた。
「ご飯が冷めてしまいますが、、、」
「あ!ごめん!私ったらすっかり忘れて、、、」
3人組の言葉に謝るアオイ。
「伊之助さんも食べられますか?」
「食べてやらんこともない」
ぐぅ、、、、
思い出した途端に鳴る腹。
「、、、っ!!」
「お腹鳴らして何偉そうに言ってるんですか」
冷めた目のアオイ。
「うっせー!お前が変な格好してるからだろーが!」
「まだ言いますか!というか、これのどこが変ですか!?」
たぶん全部コイツのせい。
腹の虫がこんなタイミングで鳴るのも。
なんかいつもよりモヤモヤするのも。
全部アオイが悪い。
だって3人組には全然モヤモヤしないし、こんなに腹が立つこともない。
何にこんなに腹が立つのかは相変わらず分からないままだったが、きっとこの顔とか声とかこの偉そうな態度とかそういうんだ。
きっとそうだ。
そうすると少しだけ腑に落ちた気がした。