第1章 戦いの後
「あ、そうか、、、」
言われてみれば確かにアオイは女だ。
こんな格好をしていなくても紋逸が言ってた『なんかいい匂い』もちゃんとする。
「って、そうじゃねぇ!そういうことじゃねぇんだよ、そんな格好して鬼にでも会った時にちゃんと逃げられんのかってことだよ!」
「何を言ってるんですか。あなた達が無惨を倒したから鬼はもういないじゃないですか」
「あ、、、そうか」
またアオイの言葉に納得する。だが、なんだか腹の奥底がムズムズモヤモヤして、とにかくこのまま引けないような気がした。
「って違う!そういうことでもなくて!」
「じゃあ何が問題なんですか?禰豆子さんだってこんな着物を着てるじゃないですか」
「あ、、、そうだったな」
確かにその通りで、禰豆子もピンク色の着物を着ている。
だが禰豆子はなんか別だ。権八郎が付いてるし、禰豆子は心配するほど弱くない。
「うぐー」
アオイがどうしてこんな着物を着ていることがいけないのか、それを納得のいくように説明するだけのものは、どう唸っても出てこなかった。
「分かりましたか?それに私も何となく着てしまっていましたが、もう隊服は着なくても良くなったんですよ」
「は?」
「鬼殺隊は目的を達したということで、解散になるようです。詳しくは、よく分からないのですが。だから私達もいつまでこの屋敷に居られるか、、、」
「ハァ!?解散って何だよ!?」
驚きのあまりアオイの言葉を遮って、アオイに詰め寄った。
「わ、私にもよく分からないと言ってるじゃないですか!詳しいことはまた連絡があるそうですよ」
「、、、そうか」
解散、、、。
確かに鬼殺隊の目的を考えると、解散は妥当だ。
けど、何だ?何か胸の奥でモヤモヤしたものが渦巻いている。
この気持ちは何だ、、、?
モヤモヤしたもの、、、腑に落ちない何か、、、