第1章 灼熱サンシャイン!【カリム・アルアジーム/切甘】
夜の散歩が終わってカリムとはまたの部屋に帰ってきた。
『カリム様、今日は本当にありがとうございました。』
「おう!また散歩に付き合ってくれよな」
『勿論です、おやすみなさいませカリム様』
「おやすみ」
魔法の絨毯に乗って部屋へと帰るカリムをは窓から頭を下げて見送る。
次の日、は使用人のみんなに紹介されて使用人生活1日目を迎えた。の仕事は掃除と洗濯がメイン。
あとは庭の手入れなんかも少しやる事になった。
先輩の使用人と手分けして庭の手入れをしているとどこからか声が聞こえてきた。
は草陰に隠れて声の聞こえる方に耳を傾ける
「カリム!何度言ったら分かるんだ!水魔法相手に炎魔法は効かないぞ!!立て、もう一度だ!」
「ぜぇ…はぁ…ジャミルは実践も強いな!」
カリムとジャミルが魔法の特訓をしている光景をは目にした。
いつも陽気なカリムの真剣な表情にはどきっとした。
「良いか、得意な魔法だけじゃなく他の属性も鍛えないと…」
カリムに向けたジャミルの魔法講義をも仕事しながら聞いて学んだ。
元々は魔法に興味があって、いろんなお屋敷に買われて書斎を見つけて魔導書を読み漁るのが趣味だった。
基礎的な魔法やその応用くらいなら少しは使える。
「…と、今日はここまでだ。」
「ジャミル〜腹減った〜」
「はぁ〜…仕方ないな、ここで待ってろ何か作ってくる」
「サンキュー!」
ジャミルがその場から離れてカリムは背後の木に背を預ける
「ふぅ…疲れた」
パキッ…
は近くにあった小枝を踏んだ。
「誰だ?」
カリムがの居る方向を振り返る。
は姿を表して『お疲れ様です、カリム様』というと「なんだ、か」と胸を撫で下ろす。
『ジャミルさんもお疲れですし、お食事でしたら私が作りますのに…』
「ジャミルの事まで気を遣ってくれてありがとな、でも俺ジャミルの作る飯しか食えねぇんだ。今まで他人が作ったもの食って倒れた事が何度もあったからな」