第4章 気まぐれエンカウンター!【フロイド裏夢】
はエースの出て行った教室の窓を拭き終えた後、フロイドがどうしてるか様子を見に行ったが…
『…やっぱりいない』
どの教室を探してもフロイドの姿は無く、最初に一緒に窓拭きをしていた部屋に戻ると教卓に一枚の紙が置いてあるのを見つけた。
その紙にはフロイドの字で《ヒトデちゃんへ、窓拭き飽きたし早く帰らないとジェイドとアズールが心配するから先に帰るね♡
俺の分まで窓拭き頑張って〜》と書かれていた。
『やっぱり逃げたか…あー、私も帰ろ!』
置き手紙を読んで馬鹿馬鹿しくなったは窓拭きをやめてオンボロ寮へと帰った。
『ただいま〜』
「あ、」
「おかえりなんだゾ!今日は遅かったな」
監督生のユウとグリムが談話室でお菓子を食べながらに声をかける。
『まぁ、いろいろあってね…』
はユニーク魔法を解いて女の姿に戻った。
は闇の鏡に魂の資質を見てもらった時どの寮にも適応できる極めて珍しい魂の資質だと診断されて好きな寮を選ぶ権利を与えられた。
そしてが選んだのがこのオンボロ寮
理由は簡単。
女の子で異世界人のユウとグリムとゴーストしかいないこの寮ならが女だと知る人を必要最低限の人数に絞る事ができるからだ。
ちなみに2人とゴースト達にはが入学した日の夜にカミングアウト済みだ。
はユウとグリムに今日あった出来事を全て話した
「よりによってフロイド先輩にね…」
「お前本当運がないんだゾ!」
『返す言葉もございません』
「でもフロイド先輩なら深く考えるタイプじゃないし、逆に良かったかもしれないね」
ユウのフォローを聞いて確かに!と答える
『ジェイド先輩やアズール先輩にバレたらもっと面倒臭そう』
「「それは地獄だね/だゾ!」」
『あはは…まぁ運のいいことに明日はお休みだからね!二日間の休みの間にフロイド先輩が忘れてくれてる事を願うよ』
はお風呂行ってくるとだけ告げて談話室を後にした。
だが、のこの考えが甘かったということに気づくのは次の日の朝だった。