第4章 気まぐれエンカウンター!【フロイド裏夢】
妹は兄の遺言通りの名を受け継ぎ、今に至る。
あれからもうだいぶ経つと言うのにの心はまだ癒えていないのか夕焼け空を見ると自然と涙が溢れてくる。
窓拭きをしながらも目からは自然と涙が出て頬を伝う
『…泣くな、私。辛い事があっても笑って乗り越えていける様な強さを持て』
兄の口癖を口にする
涙を抑える為に自分に言い聞かせるその言葉が逆に涙を誘う
ガラッ…
空き教室のドアが突然開いては急いで涙を拭い、音のした方を振り返る。
「あれ?お前まだ帰ってなかったの?」
そこにいたのはエースだ。
は空元気を振り絞って精一杯の笑顔を作る
『どうした?忘れ物か?』
「まぁそんなとこ〜」
そう言ってエースは窓際の席の引き出しからプリントを取り出す
「あったあった〜」
『それ小テスト赤点だった奴が明日提出する課題だろ?』
「いや…まぁこれは俺のじゃなくて…グリム!グリムがここでその課題もらった時に忘れてったんだよっ!!」
俺は優しいからアイツのプリントを取りに来てやったんだぜ何でドヤ顔で言うエースだったが、プリントの向こう側が透けていて名前の欄にエース・トラッポラと書かれてるのが見えていた。
『そうか、トレイン先生の課題プリントだからな…提出期限しっかり守れよ』
「おう、わかった!…あ、違う違う俺のじゃないからな!グリムに伝えとく!!ところでお前こんなとこで何してんだ?」
あ、この男都合悪くなったから話変えたな
そう思いつつもは笑顔を崩さず趣味のボランティアだと嘘を言った。
「お前にそんな高尚な趣味があったなんて知らなかったな〜…差し詰めトレイン先生あたりを怒らせて窓拭き100枚の刑にでもあったか?」
『ギクっ…』
「ははっ、図星か!頑張れよ〜」
プリントをヒラヒラさせながらエースは教室を出て行った。