第4章 気まぐれエンカウンター!【フロイド裏夢】
兄の体が冷たい。
それどころか息遣いすらも感じない。
『お兄ちゃんっ…お兄ちゃん!しっかりしてよ!!ねぇ!!…明日だよ、お兄ちゃんが楽しみにしてたナイトレイブンカレッジ入学式っ…
お兄ちゃんこんな流行病なんかには負けないって言ったじゃないっ!私を1人にしないって言ってくれたじゃない…
ねぇ、お兄ちゃんっ……どうして?』
今まで一緒だった最後の…たった1人の肉親を失った妹は冷たくなった兄の胸に顔を押し付けて泣きじゃくった。
『お兄ちゃんっ…うぅ…うぁぁぁあ…!』
部屋の少し空いた窓から吹き込んだ風がローテーブルに置かれた便箋をの足元へと運んできた。
『うぅ…ひっく…さっき置いた便箋?』
妹は便箋を手に取って読んだ。
そこにはこう書かれていた。
最愛なる妹へ
今まで俺の看病と仕事を両立してくれてありがとう。
お前のおかげで俺はいつ死んでも後悔ないくらい楽しい人生を過ごせた。本当にありがとう。
ただ一つ心残りなのは俺がいなくなった後のお前の事だ。
まだこっちにはきて欲しくないからな、新しい仲間を作って前向きに生きてほしい。
だから、お前は俺の代わりに・と名乗って明日ナイトレイブンカレッジの迎えの馬車に乗れ
世間的にはお前が死んで俺がナイトレイブンカレッジへ入学した事にしたいから俺はユニーク魔法をかけたまま死ぬ。
そうすればお前が俺だとはバレないだろ?
それに、お前がナイトレイブンカレッジで新しい仲間をつくればお前は1人になったりしない。
辛い事も笑って乗り越えていける様ないい仲間をたくさん作れよ
PS.ナイトレイブンカレッジは男子校だからユニーク魔法かけ忘れるなよ
より