第2章 野性味ジェラシー!【ラギー&レオナ裏夢】
「ラギー…おい、ラギー!」
バイト仲間が自分を呼ぶ声がやっと聞こえてきてラギーはハッとした。
「え…?」
「え?じゃなくてさ…割れた食器、片付けておいてやったぞ」
「あぁ、すんません。ありがとうッス」
「ラギーお前ほんと大丈夫か?」
「大丈夫ッス、ちょっとボーッとしてました」
「そうか?怪我してないよな?」
「はい、大丈夫ッス」
バイト仲間は具合悪くなったら無理するなよと言って仕事に戻った。
ラギーがバイト仲間と話をしてる間にとレオナはラギーの視界からいなくなっていた。
いなくなった2人がどこへ行ったのか考えて悶々としてると、いつのまにか定時になっていた。
「ラギー今日はありがとう!本当助かったよ」
店長からお礼を言われるが、ラギーは気持ちのこもってない空返事しかできずお疲れ様でしたとひとこと言って家路を辿る。
いつも通り家路を辿ってる筈なのに視線は無意識にを探していて、それに気づいた時ラギーはどうしようもないこの思いにため息が出た。
何やってんスか、俺は…
ネオンが煌めく夜の城下町、そのショーウィンドウに自分の想いを告げることすらできず好きな女をライオンに横取りされた惨めなハイエナが映る。
俺だ…
情けなく今にも泣きそうな自分の顔を見て悔しくなったラギーは走り出した。
ただひたすら何も考えず走った。
そうして家まで着いた。
「はぁ…はぁ…」
息を荒げてるが、走った事によって自然と心は少し軽くなった
は城下町にいなかったがもしかしたら先に帰ってるかもしれない、そう楽観的に考えた。
外から見て家の電気がついてるのを確認して、ほらやっぱり先に帰ってるじゃないッスか!と思い安堵する。
落ち込んでいた心を悟られないために空元気を出した
「ただいまッス!」
玄関を開けて見回すがは居ない。
「〜?いないんスか?」
リビング、寝室、トイレといろんなところを探すがの姿は見当たらない。
リビングの電気は付いているのに…
「あ、そか…電気消し忘れて出たったんスね、俺…電気代勿体ない」
ラギーはリビングの電気を消す。
真っ暗でいつもよりやたら広く感じる部屋は、ラギーに孤独を突き付ける。
「と会う前は、これが普通だったのに」