第2章 野性味ジェラシー!【ラギー&レオナ裏夢】
俺がジャングルの木陰で寝るようになった原因
それは俺の兄貴のガキ、チェカだ。
チェカは事あるごとにおじたん、おじたんと言って俺の後をついてくる。
こっちは寝たいのに向こうは遊びを要求してくる。
家の中で寝てると叩き起こされるから庭に出て寝た事もあったが兄貴に見つかって「チェカの相手をしてやれ」と言われる
寝たいのに眠れない日々が続いていい加減鬱陶しくなってきた俺は、人気の無いジャングルなら誰にも邪魔されず眠れると踏んでジャングルの中心部分まで行って、背もたれになりそうな木を見つけて眠った。
木陰がいい具合に日差しを遮ってくれて、涼しい風も吹く
最高の昼寝スポットを見つけたと思っていた。
『う〜…ジャグリングしながら玉乗りができれば良いんだけど…どっちも難しいなぁ』
『おっ…とと…おぉ〜!ちょっと上達してきたかもっ!…わわっ!ぁぁぁぁあ!!』
半分夢の中にいた俺の耳に女の声が聞こえてきたかと思ったら隣の木に玉が勢いよくぶつかってその反動で軌道を変えて寝ている俺にぶつかってきた
「痛ってぇ…!」
『いたた…あ!ごめんなさ〜い!!』
起き上がった女は玉乗り用の玉を回収しにいくと同時に俺に大丈夫ですか?と声をかけた。
玉乗り用の玉を退かしてこっちを覗き込む女は、柔らかそうな白い肌にクリーム色の明るい金髪に吸い込まれそうなほど美しい青い瞳をしていてライオンの耳と尻尾が生えている汚れを知らない天使のような美女。
ドキッ…
俺の心臓が熱く鼓動した。
何だ?この感覚…そう思うと同時に思ったもう一つのことを口に出した。
「お前か、俺の眠りを妨げやがって…」
無理矢理眉間にシワを寄せて睨みをきかせる。
『す、すみません…』
グゥゥゥゥ…
俺の腹の音が地響きの如く鳴り響く。
すると女は、小走りで荷物を取りに行って戻ってきた。
『お詫びと言っては何なんだけど…食べる?』
女が取ってきたものは弁当。
「…毒入ってねぇだろうな?」
クンクンとお弁当の匂いを嗅ぐ
王族に毒を盛る奴なんてたくさんいるから本能的な警戒だった
『ラギーが私に作ってくれたお弁当だよ?入ってるわけないよ』
女はお弁当を開けて一口自分で食べて証明してみせた。