第1章 灼熱サンシャイン!【カリム・アルアジーム/切甘】
「ジャミル!」
「おい、これはどういうことだ?」
ジャミルと呼ばれた少年は浅黒い肌に長い黒髪が印象的な少年。
彼がカリムと呼んでいた少年に近づき、お説教をしていると奴隷商人がジャミルに現状を説明した。
「貴方が従者殿ですか、実は今アルアジーム殿がこの娘を買いたいとおっしゃってくださってまして…」
「カリム、勝手なことをするなよ?お前のお父様にバレたらどうなると思ってるんだ?」
「ジャミル、俺はただこの子をうちに呼んで宴をやりたいだけで…」
「それをするにはこの奴隷を買わなきゃいけなくなるんだぞ?犬や猫じゃないんだからちゃんと責任を…」
「わかった。うちで一緒に暮らそう!金なら心配すんな」
に手を差し伸べ太陽のような笑顔で笑うカリム
「おい、カリムっ!!」
「毎度あり〜!アジーム家に後々請求させてもらいまっせ…ひひひ」
奴隷商人は大人しくそのままその場を去っていった。
「ったく…しょうがないなぁ」
ジャミルは頭を掻いてため息を吐く。
こうしてはカリムに買われて家に招かれ、宴に参加する事になったのだが…
『…凄いお屋敷』
が今まで買われたどのお屋敷よりも立派なお屋敷を前に開いた口が塞がらず呆然としてるとカリムはそんなとこ突っ立ってないでとっとと中に入ろうぜ!と言って手を引いてくれる。
「お帰りなさいませカリム様」
お屋敷に入ると使用人がズラっと並んでお出迎え。
「おう!ただいま〜」
そのままカリムの部屋に連れて行かれ、テキトーに座ってくれと言われては部屋の隅の床に座る。
「おいおい、そんなとこ座らないでもっとこっち来いよ」
カリムは自分の座るソファの隣の空席をポンポンと叩く。
『お気持ちは嬉しいのですが、私のような身分の者が貴方様の隣になど…』
「良いから良いから!早く〜」
そう言われてはゆっくりカリムの隣に行って腰掛ける。
すると…
グゥゥゥゥ…
の腹の虫が部屋中に鳴り響く。
『す、すみませんすみません!殴らないでくださいっ!お願いします!!』
「お、落ち着け!殴ったりしないから!…腹減ってるんだよな」
『すみません…』
「謝ることねぇって!俺も腹ペコペコ〜!!ジャミル!なんか作って持ってきてくれ!」