第2章 野性味ジェラシー!【ラギー&レオナ裏夢】
あれから2ヶ月半が経過した。
の大道芸は2ヶ月半前にやった綱渡りをしながら歌とダンスを披露するものしかレパートリーが無く、最近はお客に少し飽きられていた。
新しいパフォーマンスをやるためには今までの売り上げの中から玉乗り用の玉とジャグリングナイフを購入して、人気の無いジャングルで練習を積み重ねていた。
『わっ…とと…!』
玉乗りもサーカスのライオンだった頃の名残でできると思っていたが、二足歩行と四足歩行では勝手が違うからなかなか乗りこなせずにいた。
ジャグリングに関してもピエロ達のやっていたのを毎日間近で見ていたからできると思っていたがやってみると案外難しくて、これもまた苦戦していた。
『う〜…ジャグリングしながら玉乗りができれば良いんだけど…どっちも難しいなぁ』
はとりあえず玉乗りの練習を重点的にやろうと思って玉乗り用の玉に乗る。
『おっ…とと…おぉ〜!ちょっと上達してきたかもっ!…わわっ!ぁぁぁぁあ!!』
は顔面から地面にダイブした。
玉乗り用の玉はの後方にある木にぶつかった。
「痛ってぇ…!」
木の幹に寄りかかって寝ていた人が居たらしく、その人に玉乗り用の玉が当たった。
『いたた…あ!ごめんなさ〜い!!』
起き上がったは玉乗り用の玉を回収しにいくと同時に玉をぶつけた相手に大丈夫ですか?と声をかけた。
玉をぶつけた相手は褐色肌に長い黒髪、ライオンの耳と尻尾がついた色気漂う男前だった。
ドキッ…
の心臓が熱く鼓動した。
「お前か、俺の眠りを妨げやがって…」
色気ムンムンの雄ライオンは不機嫌全開の顔でを睨みつける。
『す、すみません…』
その眼力に萎縮する。
グゥゥゥゥ…
するとどこからか地響きのような腹の音が聞こえてきた。
その音は目の前の男の腹の音だ。
『お詫びと言っては何なんだけど…食べる?』
はラギーが自分に持たせてくれたお弁当を男に差し出す。
「…毒入ってねぇだろうな?」
クンクンとお弁当の匂いを嗅ぐ
『ラギーが私に作ってくれたお弁当だよ?入ってるわけないよ』
お弁当を開けて一口自分で食べて証明してみせた。