第2章 野性味ジェラシー!【ラギー&レオナ裏夢】
「ほら、向き不向きってのが誰にでもあることが分かったからいいじゃないッスか!それより料理はあったかいうちに食べなきゃ美味しくないッスよ!」
ラギーはに賄いのステーキ肉を勧め、ナイフとフォークを渡すがは手掴みでステーキ肉にかぶり付いた
「…こりゃ、仕事云々の前にお行儀から教える必要あるッスね」
俺も教えられる自信ないなぁと思いながら頭を掻く
そんなラギーの胸の内を知らないは目の前のご飯に夢中だった。
賄を食べ終えた後、は少し考えてラギーに提案した
『ラギー、さっき向き不向きがあるって言ってたよね?』
「言ったけど?何スか?」
『私、自分の特技活かして良いならお仕事できそうだよ!』
「え?それって…」
はラギーの仕事終わりまで待って、2人でお店を出た。
お店のあるところはがラギーに拾われた場所より栄えていて人通りも多い。
王族もお忍びでやってくることも多い城下町だ。
『あの紐良いな』
は洗濯物を掛けるために使われてる洗濯紐を見上げてそう言うと、器用に壁を使って跳躍して紐の上に立つ。
「危ないッスよ!?」
『大丈夫〜見てて!』
は吊るされてる洗濯物を手に取って紐の上で器用に歌を歌いながらダンスをしはじめた。
の歌とダンスに惹かれた人達がどんどん集まってきてが紐の上で飛んで片足でバランスを取るたびに歓声と拍手が鳴り響く。
ラギーはそれを見てそう言うことかとの考えに気づく
「はいは〜い、この子の大道芸凄いと思った人はここにお金入れてくださいね〜!とんでもないド田舎から来て今日の飯代も宿代も無い可哀想な子なんスよ〜恵んでやってくださいッス」
ラギーは観客達にそう言って同情を誘って、自分の持ってたトートバッグの中にお金を入れさせた。
こりゃ、飲食店で働かせるより良い金になるかも知れないッスね
あまり娯楽のない退屈な国である夕焼けの草原で、の存在は大道芸ブームの火付け役となったのだった。