第1章 灼熱サンシャイン!【カリム・アルアジーム/切甘】
厨房で監督生とグリムと出会って2人をスカラビアへ招待し、作った料理を運んでスカラビア寮に入ろうとした時だった
『ジャミル…さん』
「お前は…か?」
正直驚いた
本来女のが男子校のナイトレイブンカレッジに居る訳がないんだから
持っていた料理を危うく落としそうになった
「なんだなんだ?ジャミルの知り合いなんだゾ?」
「お前どうしたここに?」
『ジャミルさん、話せば長くなるのですが…カリム様はっ!カリム様はお元気ですか?合わせて頂けませんか?』
俺に縋り付く必死な萌に俺はため息を洩らし、を引き離した
今をカリムに合わせるわけにはいかない
これはカリムを離れさせて勉学に打ち込ませる為にやっていることだから。
「カリムは元気だ。だからお前は安心して屋敷に帰れ。」
『カリム様にお会いするまでは帰りません!』
の反抗的な目に俺は少しイラッとした。
「聞き分けが悪い奴だな。俺は《帰れと言ってるんだ》」
俺はユニーク魔法を発動して萌を強制的に洗脳した。
には悪い事をしてると思うけど、これもカリムのためだと思って心を鬼にした。
『はい、分かりました』
はのろのろとオクタヴィネル寮へ帰っていった。
「おい、ジャミル良いのか?アイツなんかカリムにスゲェ会いたそうにしてたゾ!ひと目合わせてやっても良かったんじゃないか?」
「そうだよ、なんか可哀想」
2人にそう言われて少しやり過ぎだかも知れないと良心がいたんだが、ぐっと我慢した。
「良いんだ。ほら、早く行くぞ。カリムが待ってる」
俺たちは料理を抱えてスカラビア寮へ入った。
それからがまた来るだろう事も考えてカリムにユニーク魔法でが来たら追い返すようにと大雑把な命令を下した。
案の定はもう一度来た、そしてユニーク魔法にかかったカリムが対応していた。
大雑把な命令しかしてなかったせいか、ユニーク魔法にかかったカリムのを追い返すやり方はやり過ぎと言っても過言ではないものだった。
力なく膝を付き泣きじゃくるに言葉をかけようにもどう声をかけたらいいか分からなくて俺はその様子を遠目で見守ることしかできなかった。