第1章 灼熱サンシャイン!【カリム・アルアジーム/切甘】
俺とカリムがナイトレイブンカレッジに入学して1年が経った。
カリムはあんな性格だからすぐに学校の奴等と仲良くなっていつも話題の中心にいる人気者になっていて、その人望と思慮深さを買われて前寮長からの指名で二年生にして寮長になった。
俺はそんなアイツのサポートをする副寮長で、従者だから当たり前のようにずっとそばにいた。
そして、アイツはいつも俺にこう聞いてくる
「ジャミル、は今頃どうしてるかな?元気にやってるかな?」
俺が知るわけないだろう?
お前の方がについては詳しいだろう
そう思いつつも俺はいつも「さあな、元気にやってるんじゃないか?」と答える。
ナイトレイブンカレッジに居てもアイツの心の中にはいつもが居て暇さえあればと言うより、もはや授業中でも構わずに手紙を書いていた。
元奴隷のはスマホを持っていない。
カリムが何度も買い与えようとしたけれど、は『そんな高価なものいただけません』の一点張りだった。
だからって今時手紙かよ、という思いは俺の心の中にとどめておいた。
一緒に弁当を食ってる時もカリムはをずっと気にかけていて「は今頃美味しいもん食えてるかな?またジャミルの飯食わせてやりてぇな」なんて言ってる始末。
寮に帰って勉強教えてる時も上の空で、防衛魔法の特訓中も上の空…テスト中までのことばかり考えてるもんだから今年のマジフト大会も期末テストもスカラビアの成績は最下位になってしまった。
俺はカリムの気の緩みや寮長としての自覚のなさにイライラが募っていた。
の事で頭がいっぱいで勉強に集中できないカリムを一度叩き直さないといけないと本気で思った俺はウィンターホリデーに寮生全員で特訓すると言うことを思いついてユニーク魔法でカリムを洗脳した。
そうだ、最初からこうやって言うことを聞かせておけばよかったんだ。
のことなんて忘れさせて、集中させればよかった
だが、ウィンターホリデー1日目鏡舎内でと遭遇してしまった。
これは俺にとって大きな誤算であり想定外の出来事だった。