第1章 灼熱サンシャイン!【カリム・アルアジーム/切甘】
懐かしさに涙を流すをカリムは容赦なく突き飛ばす
『っあ!!』
突き飛ばされたはそのまま尻餅をついてカリムを見上げる。
『カリム…様?』
「気安く触るな、特訓の邪魔だ失せろ…おい今から防衛魔法の特訓だ。グズグズするな!準備しろ!!」
「は、はい!カリム寮長!!」
に話しかけてきた名も知らない寮生はカリムに一礼して寮へと走る。
『カリム様…』
「まだ居たのか?失せろと言ったはずだ」
誰?誰なの?この冷たい瞳をして冷たい言葉を浴びせてくる人は…知らない、知らない…私はこんな人知らない。
『貴方は…誰なんですか?』
「何を言っているんだ?俺はスカラビア寮寮長、カリム・アルアジームだ」
『そんなはず、ありません…私の知るカリム様は誰にでも明るくて優しくて、誰よりも思慮深くて…私のような身分の人間に対しても暖かい言葉をくださるような…太陽のようなお方です!
カリム様っ!貴方はもうっ…私の知るカリム様ではないのですか?私の知るカリム様はもう…どこにも居ないのですか?』
その場に力なく膝をつき、嗚咽をあげながら泣きじゃくるを見下ろすカリム
「どうでもいい。目障りだ、消えろ」
カリムは道に転がっている石ころを蹴るようにの腹を蹴飛ばした。
『っぐは…!』
カリムはに背を向けて寮の中へと戻っていく
『カリ…ム、様…』
は涙でぼやける視界でカリムの背を見つめる
あぁ、あんなに会いたいと願っていたのに…
毎日毎日カリム様の部屋を掃除して、カリム様が帰ってきてくださる日をあんなにも待ち遠しく思っていて…
アギーラさんのお陰で学園に入学してここまで貴方を追いかけてきたのに…
『あぁ、カリム様に…会いに来なければ良かった…』
その場に蹲り、カリムに絶望したは静かに涙を流した。