第1章 灼熱サンシャイン!【カリム・アルアジーム/切甘】
オクタヴィネル寮の自室に入った瞬間の洗脳はスッと解けた。
『あれ?なんでここに…』
鏡舎でジャミルさんと会ったのは覚えてる、そこからの記憶がボーッとしてて…覚えてない。
気付いたら部屋に帰ってた。
『何でかなんて分からないけど、会いに行かなきゃ!その為にここにいるんだから!』
はまた自室を出て鏡舎へ行った。
そこにはもうジャミルの姿はなくそのままスカラビア寮へ入ることができた。
「おい!お前は誰だ!」
スカラビア寮へ入るとすぐ名も知らない寮生に声をかけられた
『私はジル・アギーラです。カリム様はいらっしゃいますか?』
「カリム寮長に何のようだ?」
「おい、お前達そこで何をやっている?」
寮の奥からカリムが出てきた。
は一瞬息を呑んだ。
今まで会いたくて仕方なかった彼が今そこにいる。
寮生の横を潜り抜け、はその嬉しさにたまらなくなりカリムの元へ走る。
『カリム様っ!』
は久しぶりに会ったカリムを勢いよく抱きしめる。
『お久しぶりですカリム様です!
貴方に会いたくて同じ使用人のアギーラさんに成り済まして入学して来てしまいました!
同じ寮になれなかったせいでお会いするのが遅くなってしまって申し訳ございませんでした!
あぁ、カリム様…お元気そうで何よりです!』
このお日様のような優しい匂い…カリム様の匂いだ!