第1章 灼熱サンシャイン!【カリム・アルアジーム/切甘】
その頃屋敷内。
ナイトレイブンカレッジ行きの荷物をまとめ終わったカリムは、魔法の絨毯を探していた。
「あれ〜?おっかしいなぁ…いつもここに丸まってる筈なんだけどな…」
宝物庫を漁るがいつもの場所に絨毯はいない
「あいつまた勝手に出歩いてるのかな?ナイトレイブンカレッジにも連れて行きたいのに…」
宝物庫を出て廊下を歩いていると窓から魔法の絨毯が誰かを乗せているのが見えた。
「あ、絨毯!…と、アレは?」
絨毯はゆっくりとカリムのいる廊下の窓まで来てフサフサを窓の間に入れて器用に鍵を開けてを下ろす。
『ありがとうね、絨毯』
ご機嫌な絨毯はカリムに擦り寄る。
「絨毯お前探したんだぞ?」
『カリム様、申し訳ありません勝手に絨毯を使って…』
「いや、それは良いんだ。どうせ絨毯の方からのところに行ったんだろうからな…それより絨毯!今までとどこ行ってたんだ!と出掛けるなら俺も連れてけよ〜!俺1人で寂しかったんだぞ〜」
絨毯相手に怒るポイントがズレてるカリムを見ていつものカリム様だ!と思ってはクスクスと笑う。
「やっと笑ったな、昨日から元気なくて心配だったんだ。」
『…ご心配おかけして申し訳ありませんでした。私は大丈夫です!昨日はちょっと…突然の事で動揺してて気持ちを制御できてませんでした。』
「そっか、あんまり無理するなよ?」
カリムはまた妹をあやすような手つきでの頭を撫でる
は『はい』とだけ答えてその手に身を委ねる。
数時間後、ナイトレイブンカレッジからの迎えの馬車が来た。
「行くぞカリム、忘れ物はないな?」
「あぁ!大丈夫だ」
荷物を持って2人は屋敷の玄関を出て門までの道のりを歩く
その道のりには使用人達が両側に立って見送りをする。
皆口々に「行ってらっしゃいませ」と頭を下げる。
「おう!行ってくる〜みんな元気でな!」
笑って手を振るカリムとあとのことは頼んだぞとだけ告げるジャミル。
彼らがの見送り位置、馬車の前まで来た。