第1章 灼熱サンシャイン!【カリム・アルアジーム/切甘】
初めて会った日の夜みたいにカリムがの部屋の窓をノックする。
は窓を開けて魔法の絨毯に飛び乗った。
「慣れたもんだなぁ」
『魔法の絨毯でお散歩するのももう何十回目か分からないくらいですからね』
「そうだな」
ニカっと笑うカリムは絨毯を操縦して初めて会った日に連れてったところと同じところへと向かう。
自分からお供すると言ったけれど実際2人きりになると何を喋って良いのかわからなくなるは俯いて黙り込んでいた。
「?」
カリムがの顔を覗き込む。
『あ、すみません。ボーッとしてました。』
「そっか!気分悪くなったりしたら言ってな」
『……カリム様』
「何だ?」
明日からはもうこうやって空の散歩にも行けなくなる。
いつも当たり前のように隣にあった彼の笑顔ももう見れない。
の中でいろいろな感情が溢れて抑えきれない。
『…っ…ひっく…うぅ…』
「ど、どうした!?気分悪くなったか?」
オドオドして妹をあやすようによしよしと頭を撫でるカリム。
違うんです、カリム様と告げるはその後に続く言葉を少しずつ絞り出す。
『どうして…明日ナイトレイブンカレッジに…入学する事を私に教えてくださらなかったのですか?』
「俺も、言おうと思ってたけどに言う勇気が無かったんだ。ごめんな」
無理だとわかってる、だけどこれを口に出さずにはいられない
『カリム様、これが最後の夜のお散歩になるなんて私は嫌です
私も…連れて行ってください。貴方のそばにいたいんです。貴方が居るから私は貴方のためになりたいと願ったのです』
「ごめんな、。の気持ちはすごく嬉しいけどナイトレイブンカレッジには連れて行けない。
それにナイトレイブンカレッジにはホリデーがあるんだ!
ホリデーには絶対帰るし、手紙もちょくちょく書くからさ!
…それじゃダメか?」
泣きじゃくるの涙を救ってカリムはを抱き寄せる
『ダメ…じゃないです。我儘を言って申し訳ありませんでした
カリム様立派な魔道士になって帰ってきてくださいね』
本当は嫌だった
でもこれ以上我儘を言ってカリムを困らせることはしたく無かったはそっと聞き分けの良いフリをした