第1章 灼熱サンシャイン!【カリム・アルアジーム/切甘】
3か月後、あれからもアジーム家での生活に慣れてきてカリムとその兄弟達の部屋の掃除を1人でできるようになっていた。
「カリム様もついに明日ナイトレイブンカレッジに入学するんですってね!」
「本当おめでたいことですわ!」
使用人の先輩方がそう話しているのを聞いたはその声に耳を傾け、会話に入る
『カリム様が…ナイトレイブンカレッジに?』
「アジーム家の男児は代々ナイトレイブンカレッジに入学してるのよ、カリム様もきっと優秀な魔道士になりますわ」
「ジャミル様もついていらっしゃるものね」
『2人とも一緒に入学するんですか…ナイトレイブンカレッジ、私も行きたいです』
「あら、行けないわよ?」
『…どうして、ですか?』
「あなた知らないの?ナイトレイブンカレッジは男子校よ?しかも寮生活!だからしばらくカリム様とジャミル様とは会えなくなるわ」
「寂しいわねぇ」
はショックを受けた。
魔法には興味があっていろいろ調べていたけれど奴隷のには魔法を習うと言う選択肢が無かった為学校に関しては疎かったからナイトレイブンカレッジについて殆ど知らなかったのだ。
『嘘…』
カリムと会えなくなる、それはにとって主人を失うという事。
3か月間今までにないほど、これでもかというほど優しくされては浮かれていた。
カリムが居なくなるなんて考えた事も無かった。
嫌だ、嫌だ…行かないで、私を置いてかないで…!
仕事中もずっと頭を離れなかった。
そんなが夜眠れるわけもなく、23時を超えても起きていた。
『カリム様…』
カリムに会えるのは今日が最後、明日には彼はこのお屋敷から居なくなる…
そう思ったら居てもたってもいられなくなったはカリムの部屋を訪ねる
コンコン
ノックすると眠そうな声ではぁいと返事をしてカリムはドアを開ける
「どうしたんだ?」
『カリム様夜分遅くに申し訳ありません…』
「…ちょうど良いこれから夜の散歩に付き合ってくれるか?」
彼はに気を使って夜の散歩に誘ってくれた
『お供いたします』
そう告げると彼はの部屋まで行くからちょっと待っててくれと言って魔法の絨毯を取りに行った