第25章 伝える想い
音「それは…心配ですね。」
『そうなんですよ…。
なので少し様子を見てきます。』
風柱と水柱が犬猿の仲であるのは隊の中でも有名だ。
祈里と音羽も事の顛末を想像して苦笑いを浮かべる。
祈「竈門さんとのときのようにならないといいのですけど…。」
そう呟く祈里に杏はふるふると首を軽く振る。
『炭治郎くんのときより酷いことになる可能性の方が高いですよ。』
音「え…、あの…殴り合いより、ですか??」
不死川と炭治郎の乱闘騒ぎのことを思い出し、音羽は目を見開く。
『えぇ。不死川さんは炭治郎くんとの相性は悪いですが、冨岡さんとの相性は最悪なんですよ。私は3年前に柱になってからお2人の会話が噛み合っているのを見たことがありません。』
祈「3年も…。」
神妙な面持ちになる祈里に杏は頷く。
『あの2人が会話するときは私やしのぶさんが止め役にならないと危険なんですよ。』
音「なるほど…。」
『怪我人がでないように頑張ってきますね。』
祈「杏さまもお気をつけください。
無理はなさらないでくださいね。」
もし乱闘が始まってしまえば、それを止めるにはその中に入るしかない。