第11章 護衛役
祈「えぇ、もちろん。」
祈里と音羽の楽しそうな様子に小さく微笑む杏。
しかし、ここに来た目的を忘れてはならない。
『さて、と。そろそろ始めましょうか。』
ニコッ、と笑顔を向ける。
祈「あ、はい!!」
音「はい!!」
ピシッと背筋を伸ばす2人。
『今日はとりあえずお2人と手合わせをしようかと考えています。』
祈「手合わせ…ですか??」
『えぇ。』
驚きつつも、柱との手合わせということに胸を高鳴らせているのがわかる祈里と音羽の様子にふふっ、と笑い声をもらす。
『これからお2人に稽古をつけていく上で、現在の実力を見ておきたいのです。』
祈「わかりました。」
音「よろしくお願いいたします。」
2人の返事を聞き、うん、と小さく頷く杏。
『さて、それではどちらからにしましょうか。』
2人に視線をやり、様子を伺う。
2人は一瞬、互いに目を合わせ何やら意思疎通を行えたのか互いに頷きあう。
杏(まだここへ来て2日目なのに…随分と仲良くなってるのね。)
仲良きことはいいことだ、と心の中で呟く。
祈「私からよろしいですか??」