第11章 護衛役
強いていえば、カナエが生きているときのしのぶが女性らしさより鬼殺のしやすやを優先していたぐらいだ。
つまり、音羽のような反応をするタイプとはあまり話したことがなく、どのように対処すればよいのか自信がなかった。
音羽の手を軽く握り、目線を合わせる。
『音羽さん。確かに、私たち鬼殺隊士にとっては動きやすさも大切なことです。ですが、好きなものを諦める必要はありません。』
音「好きなもの…。」
髪飾りを手鏡をとおして見たとき、音羽は僅かではあるが頬を紅潮させ、瞳が輝いていた。
恐らく、可愛らしいものは好きだが己を滅して我慢していたのだろう。
『私たちは明日をもしれない身です。ですが、だからこそ楽しいと思えることをしていいんです。
折角女の子に生まれたのですから、可愛らしいものが好きなら楽しみましょう。』
音羽の瞳をじっ、と見つめたまま、ニッコリと微笑む。
音「はいっ。ありがとうございます。」
祈「音羽さん。
今日私の部屋にいらっしゃいませんか??
私の物で良ければ、お貸ししますよ。」
音羽が微笑み、返事をしたのを見て祈里もほほえみかける。
音「いいのですか??」