第11章 護衛役
みたらしもあんこもどっちも作りましょう、と付け加えながら微笑む杏。
祈「私たちの好きなものでよろしいのですか??」
『えぇ。今日作るお菓子は貴方たちがこの屋敷に来て初めて食べるお菓子ですから。楽しみにしててくださいね。』
優しく頷いてみせると、表情が明るくなる祈里と音羽。
『さぁ、そうと決まれば急ぎましょう。』
食事を終え、それぞれ動き出す。
杏は書斎で蝶屋敷で療養していた間の書類に目を通し、整理していく。
祈里と音羽はまだ慣れない屋敷のため、あまり手際は良くないが家事をこなす。
杏がお菓子を作ると言っていたため、まず先に台所の掃除を終えた。
祈「私は洗濯をしてきますね。」
音「では、私は掃除を…。」
祈「こちらが終わり次第、向かいますね。」
素早く役割分担を済ませ、パタパタと動き回る。
『ふぅ…。とりあえずはこんなものかしら。』
今すぐ処理すべきものとまだ大丈夫なものに分け、処理するものを手早く済ませた杏。
サ「オ疲レ様。今日ハ早カッタワネー。」
『ありがとう。でも一言余計よ??』
ずっと隣にいたサクラのおでこをつん、と人差し指でつつく。