第11章 護衛役
化粧をし、鏡をのぞく。
『…よし、今日も頑張ろう。』
そう、小さく呟き部屋を出る。
居間へ向かうと丁度、配膳をしているところだった。
『今日もとても美味しそうですね。』
祈「杏さま。あともう少しお待ちください。」
『えぇ。』
祈里の言葉に小さく頷き、庭の桜の木を見に行く。
しばらくじっ、と眺めていると背後から声をかけられる。
音「杏さま。整いました。」
『今行きますね。』
振り返り、祈里と音羽に笑顔を向ける。
いつの間にかご飯の前で待っていたサクラたち鎹鴉に驚きつつも御膳の前に座る。
『では、いただきます。』
手を合わせ、箸を持つ。
お味噌汁を啜り、ふわりと顔を綻ばせる。
『温かい…。とても美味しいです。』
ニコッ、と笑顔を向け箸を動かす。
祈「良かったです。」
音「今日はじゃがいものお味噌汁にしてみました。」
『じゃがいものお味噌汁も美味しいんですね。私はいつもネギばかりで…。』
会話を楽しみながら食べすすめていく一同。
『あ、そうでした。今日はしのぶさんが屋敷にいらっしゃるそうです。』