第11章 護衛役
祈「わかりました、ありがとうございます。」
ペコリと頭を下げる祈里。
『他に何か聞いておきたいこはありませんか??』
音「はい、大丈夫です。」
『では、おやすみなさい。』
祈.音「「お休みなさいませ。」」
最後に優しく微笑み、2人に背を向ける。
そのまま鍵のかかった部屋に向かい、額と右手を扉につく。
『…おやすみなさい。』
小さく、呟くように言い、部屋に入った。
サクラを籠まで連れて行く。
『おやすみなさい、サクラ。』
サ「オヤスミ!!」
優しく頭を撫で、微笑む。
布団に入り、眠りについた。
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──チュンチュン...
鳥の声を聞き、ゆっくりと目を開く。
『サクラ、おはよう。』
すでに起きて、今にも杏を起こそうと突っつきそうなサクラに緩く微笑む。
サ「アラ、自力デオ起キルナンテ珍シイワネ。」
『そうね。』
ふふ、と笑ってゆっくりと起き上がる。
揺れる黒髪に櫛だけ通し、羽織を纏って廊下に出る。
──トントン
──ジュー
屋敷に響く心地よい音と美味しそうな匂い。