第11章 護衛役
サクラが杏の膝を軽くつつく。
それをやんわりと手で制す。
『あら、でも同じものばかり食べていては身体に良くないわよ??鎹鴉は身体が資本でしょう??』
サ「言ッテミタダケヨ!!」
ワカッテルワ、と付け加えてフン、と胸を張るサクラ。
『それでこそサクラね。ねぇ、雫と琥珀のこと、教えてくれないかしら。』
ふふ、とサクラに微笑み、そのまま雫と琥珀に視線を向ける。
『何でもいいんですよ、これまでの任務のこととか、家族のこととか、祈里さんと音羽さんとの想い出とか、何でも。』
キョトン、としている2羽に優しく微笑み、頭を撫でる。
『これから貴方たちの相方と一緒にこの屋敷で生活していくのだから、どうせなら仲良く楽しくしましょう。』
そう言うと、2羽はたくさんのことを話し始めた。
家族のことや鎹鴉になった経緯までも。
そして、祈里と音羽との想い出も聞かせてくれた。
杏(なんだ、仲良いみたいね。
心配しなくてよかったみたい…。)
祈里と音羽が湯浴みから戻るまで杏と鴉たちの話は続いた。
祈「杏さま。」
音「戻りました。」
『祈里さん、音羽さん。おかえりなさい。』