第11章 護衛役
音「それは申し訳ないです!!」
このように互いに譲り合いが始まり、なかなか決着がつかない。
そのとき、すぐそばでその譲り合いを聞いていた杏が手を合わせ、微笑む。
『でしたら、毎日交互にするのはどうですか??』
祈「交互…。」
音「それはいいですね。」
杏の提案が思いつかなかったことだったからか祈里は固まる。
音羽はすぐに賛同した。
『でしたら、今日は音羽さんから湯浴みにしましょうか。』
音「はい。」
祈「はい。」
話し合いが終わり、すぐに行動に移す2人。
そんな2人を眺めながら、杏は縁側に向かう。
『サクラ、雫、琥珀。
こちらへいらっしゃい。』
縁側に座り、3羽の鴉に手招きする。
トテトテと歩いてくる3羽。
3羽が自分の隣にきたところで杏は口を開く。
『雫、琥珀。夕餉はしっかり食べましたか??』
雫「ハイ。」
琥「美味シカッタ!!」
『それは良かったです。』
雫はおしとやかに、琥珀は羽をバタバタとさせる。
そんな2羽を見てクスクスと笑う杏。
『サクラは胡桃が特に好きなんですよ。』
サ「美味シイモノ!!モット食ベタイワ!!」