第11章 護衛役
ふっ、と少し口角を上げる。
『そうですね、ではお願いします。』
祈「はい、お任せください。」
音「稽古も頑張ります。」
『稽古は厳しくさせていただきますよ。私の世話に手一杯で貴方たちを死なせるわけにはいきませんからね。』
頑張るぞー、と意気込んでいる2人にニコッと笑顔で宣言する。
祈「ヒッ…」
音「が、頑張ります…。」
その杏の笑顔が恐ろしく見えたのか震える祈里と音羽。
『ふふっ、大丈夫ですよ。
稽古で死ぬことはありませんからね。』
音「死…??」
祈(…基準が違う気がする。)
震える2人にまったく大丈夫ではない言葉をかける杏。
しかし、杏の言葉に他意はない。
『ご馳走様でした。
とても美味しかったです。』
祈.音「お粗末様でした。」
祈「お口にあって良かったです。」
それから少し雑談し、食事を終える。
『湯浴みはどちらからいきますか??』
杏の問いに互いに顔を見合わせる祈里と音羽。
祈「音羽さんからどうぞ。」
音「いいんですか??」
すぐに先を譲る祈里に音羽が驚き、聞き返す。
祈「勿論です。
その間に食器は片付けておきますから。」