第11章 護衛役
『サクラ…。』
サクラは祈里と音羽の味方のようだ。
サクラも杏が大好きなのだ。
無理をしてまた倒れられても困る。
また、杏もサクラの想いは分かっている。
突っついてくるサクラを抑えながら困り顔をみせる杏。
祈「でしたら、私たちが家事を行うことでできた時間に稽古を付けていただくというのはどうでしょうか。」
祈里のその言葉に首を傾げる杏と音羽。
祈「柱の方々はとても忙しいでしょう??家事を私たちではなく、杏さまにしていただくとなるとさらに忙しくなってしまいます。ですから、私たちが家事などを行うことで稽古を付けていただく時間を確保する、ということです。」
音「それはいいですね。」
祈里の言葉の意味が分かり、手を合わせて賛同する音羽。
一方、杏の表情は未だ芳しくない。
『………しかし、』
サ「杏。」
『サクラ…。』
否定の言葉を言おうとしたが、サクラに止められる。
サクラはなにも言わないが、サクラの言わんとしていることはわかった。
杏(本当に…いいのかしら。
この子たちを“頼って”も…。)
ツン、と手に当たるサクラの嘴。