第11章 護衛役
『まぁ、確かにそうね。』
羽を広げて文句を言うサクラと楽しそうに笑う杏をじっ、と見つめる祈里と音羽。
祈「桜柱さまとサクラは仲良いですよね。」
音「確かに、桜柱さまの口調も砕けたものになってますし…。」
『そうですか??というか、その桜柱さまっていうのやめませんか??』
祈.音「「え??」」
『お2人さえよければ名前で呼んでください。』
困惑している祈里と音羽に優しく微笑んでみせる。
2人は目を見開き、互いに目を合わせる。
そして、ゆっくり口を開いた。
祈「杏…さま。」
『はい。さまもいりませんが、まぁいいですよ。
さぁ、佐々木さんも。』
音「杏さま!!でしたら私たちのことも下の名前で呼んでくださいませんか??」
『え??』
音羽の急な申し出にキョトンとした表情を浮かべる。
音「名字だと…なんだか…」
ワタワタと慌てた様子の音羽を見てふふっ、と笑う杏。
『では、祈里さん。音羽さん。』
祈「はい。」
音「は、はい。」
それぞれの顔を見ながら名前を呼ぶ。
『そろそろ食べましょうか。
冷めちゃいますしね。』